2003-06-01 update
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アイスバーの中でソロコンサートを行う。マイナス10度である。
天井からぶら下がっているシャンデリアも氷で出来ている。中央に円形のカウンターがある、その中にある氷柱の前に並んでいるのは氷のグラスである。 そのグラスにウィスキーやウォッカを入れて飲む。勿論手袋してないとやってられない。面白いぞ。

いやになるほど音は響かない。寒いから、吹いていると楽器がドンドン冷たくなっていくのが指に伝わってくる。やればやるほど盛り下がる感じである。 何とかしてくれーよ。まったく。
以前、北海道の然別湖に崎野隆一郎が造ったアイスバー“うたかたの夢“(このネーミングにいたく感動したのだ)の中で演奏した事があるが、 そこはもっと狭かったから聴いている人々に音が伝わりやすかったかなあ。それと較べれば、このバーは演奏に適した環境ではなかった。なんか無響室みたいにデッドな空間なのでした。

広いアイスバーの中には30人ほどのお客さんがいます。まったく知りもしない東洋人がサックスを吹いている訳です。 この日の泊り客の中には日本人の団体もいましたが、誰一人来ませんでした。
これはやっぱし、サウナハウスみたいな暖かいとこでやらないと、演奏者も観客も辛いね。我慢大会じゃないからね。今まで一番寒いところでサックス吹いたのは、俺が日本の北極と呼んでいる、然別湖でした。マイナス20度ぐらいでした。 呆れますよ。実際のところ。これで寒いところは吹きおさめにしたい。我ながらご苦労さんでした。と言いたい。

30分演奏したが、アンコールをやれという。右側はアイスホテルの社長、左はここの重要人物でオーケーという男だ。オーケーは以前然別湖で会っている。 アイスバー“うたかたの夢“でサックス吹いた時にいたのだ。だから、俺が「ではこの場所にもっともふさわしい曲を演奏します」といって ”サマータイム“を吹いた事を知っている。
その時は皆に馬鹿受けした。だから、、リクエストしに来たのだ。「オーケー、俺は寒いっちゅーに!」


ユッカスヤルビ視察団の面々が記念写真に収まる。左から二人目はここに出稼ぎに来ているアメリカ人。
実はここには世界中からいろいろな人が仕事に来ている。左端の人物がこのホテルの建設に欠くことのできない技術者、崎野隆一郎である。
我々はそのうちここでなんかやろうというわけである。さてねえ!?

  おわり  
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