2003-02-01 update
back TOPへ戻る next
   
アイスホテルで泊まった普通ホテルである。変な説明だが、ここは1年中泊まれる宿泊施設と言う事だ。真新しい木造の建物は温かみがあって気持よかった。瀬戸内海の温暖な地域で育った俺は、北国の雪と氷の世界に憧れを持っている。北海道にも随分通った。今回、俺をここに連れてきた崎野隆一郎とも北海道で知り合った。
冬の北国の時間は雪と氷にすーっと吸い込まれていくような感じがする。しーんとした時間である。湖の静けさが気持よい。ここの俺の部屋から見える景色もまさにシーンと静まりかえっっている。時折、鳥の鳴き声がしたり、車のスパイクタイヤが凍った道に食い込む音がみしみしと聞こえてくる。

部屋の中ベッドの奥から入口付近を見る。
外から戻ってくると、重装備の防寒着を脱ぐし、出かけるときはまた着なければいけない。そのため、入口付近はたっぷりとしたスペースがある。ホテルで皆が借りる防寒着はつなぎになっていて、着る時はそうでもないが、脱ぐ時がややこしい。全てのサイズの防寒着が用意されている。勿論有料である。

フィンランド製のベッドはご機嫌である。なぜか背中が暖かいのだ。北欧の人間はでかい。だからベッドもでかい。4畳半ぐらいありそうだ。おまけに、ベッドの周囲に上がりかまちのようなものがついていて、そこに腰掛けたりも出来る。 しかしこのような大きなベッドに一人で寝るのはいささか残念である。 だからと言って、エスキモー犬とかが隣に寝ていたら、野獣の匂いがして参るがね。ガハハハハ!

前方にホテルのレセプションがある。雪をかぶった針葉樹が綺麗である。天気の良い昼間でも強力に寒い。 しかしこの乾いた空気の透明感がとても気持よい。4000M付近のアンデス高原、晩秋モンゴル高原、サハラ砂漠での夕暮れの時間、2月の十勝平野から見える大雪山系、 太平洋のど真ん中で船の後ろに見えた巨大なさそり座、この凍った大地の上の空は地球上のどこへでもすぐにつながっている。沈んでいく太陽を東側から見れ、 それは日の出になるわけだ。 こうして次々と時間が変わっていく事に、深い感銘を受けてしまう。当たり前だといえばみもふたもない事だが。

  次回へつづく・・・  
このページのTOPへ戻る
当サイトに掲載されている画像、文章等の無断 転載は固くお断りします。
All rights reserved, © 2002 Akira Sakata   Last Updated: