2008 No53
桜咲く4月となりました。 大変良い気候となりますが、春は眼がしょぼついたり、かすんだり、乾燥したりする方々が増えて参ります。 これはどういう訳かといいますと、漢方医学では春の気が肝に影響を与える(漢方医学では目と肝は密接なつながりを持つ)という事なのです。 ですからふだんから眼の弱い人や疲労が眼に来やすい人では春は充分に目の健康管理を必要があるでしょう。
そこで眼症状(眼精疲労や視力の低下)の漢方治療となるのですが、眼症状を肝の失調と捉え、治療もまず肝の働きを強める方針で行います。つまり肝の疎泄(そせつ)作用(気・血の循環を良くする作用)を改善し、肝が貯蔵している血液を充分に目に行き渡らすことによって目の疲れを取り、視力の低下を防ぐのです。肝の働きを良くすると、漢方薬は眼症状だけでなく、白内障や緑内障にも効果を発揮します。 眼精疲労などの眼症状を訴える人は漢方医学的にみると『肝腎両虚(かんじんりょうきょ)』である事が多く、これは肝と腎の機能がともに低下した状態で、肝は腎によって養われ(肝腎同源)ますから、肝の機能を強化する為にも、腎も強化する必要があるのです。 そこで肝と腎の強化、つまり『肝腎双補(かんじんそうほ)』という治療原則が適用され、適切な漢方薬が選薬される訳です。 いかがでしょう。春と肝と眼の関係、そして眼症状に対する漢方薬の有効性など少しはお分かりになって頂けたでしょうか。 当店は中国漢方医学の専門家を3人、皆さまの漢方相談に当たらせておりますので、どんな事でもご相談して頂きたいと念じております。 それでは例によって眼症状の漢方処方例を記しておきますので、参考にしてみて下さい。
証型
主な症状
治則
処方
肝腎両虚(かんじんりょうきょ)
肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
疲れやすい、目が痛む、光がまぶしい、めまい、弱い耳鳴りがある
肝腎双補(かんじんそうほ)
(滋補肝心・じほかんじん)
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)を併用(胃腸が弱いとき)
八味丸(はちみがん)を併用(手足が冷えるとき)
(『家庭中国漢方普及会テキスト』より)
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